デジコミの快楽03

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デジコミのメリットとデメリット

 本来ならば第1回に書くべきことで申しわけありませんが、デジコミのメリットとデメリットを明記したいと思います。

 当コラムの目標はデジコミの啓蒙(笑)と推奨ですが、もちろんデジコミにもデメリットはあります。思いつくものをあげ、メリットと比べてみました。

◆デメリット◆

●初期投資の費用がかかる●ソフト・ハードとも、ある程度の勉強が必要●本体・周辺機器など、なにかと電気を消費する●締め切りまぎわに、パソコンがすぐに復旧できないほどの故障を起こすとアナログ作業に戻らざるをえない●原画スキャンの問題……通常のスキャナで取り込みやすいよう、一般的なB4サイズでなく、A4原稿用紙で原画を作成すると、縮小率が小さくなり、絵柄によっては描線が太めに見える可能性がある●「仕上げののち、数ヶ所だけトーンを貼りなおしたい」場合など、アナログに比べ小回りがききにくい……

◇メリット◇

●作業のやりなおしが簡単にできる●トーンの買い置きの必要がなくなる(買いに行く時間と手間の削減、多用するトーンが生産中止などで入手困難になる心配がない)●作業中、おめあてのトーンを探す時間が大幅に短縮できる(ばかにならない部分と思います)●トーンがはがれる心配がない●トーンを保管するための物理的なスペースの必要はなくなり、分類の手間も軽減される●ベタ塗りがトーン貼りのプロセスに組み込まれ、複雑な形の範囲、広い範囲の塗りつぶしが簡単にできる●集中線、スピード線の作成時間と手間が軽減できる●白黒逆版、描き文字をホワイトで縁どりする、など、アナログでは手間のかかる処理が簡単にできる●バックアップをとることにより、原稿の紛失を防げる●トーンの空き袋などのゴミが出ない……
スキャン時のサイズの問題
 デメリットのうち、重要なのは原画サイズと、費用の問題でしょう。

 一般向けのスキャナは、性能的に問題はなくとも、スキャン可能なサイズはA4が基準で、B4のプロ・投稿用サイズで作画したものをそのまま原寸でスキャンするためには、2回に分けなければなりません。1回でスキャンするとなると、A4原稿用紙で原画を作成することになりますが、縮小率が小さくなり、絵柄によっては描線が太めに見える可能性があります。

 A4スキャナでも、縦寸が大きい機種で、原画のノドに絵のはみ出しがなければ、B4用紙をスキャンできる場合もあります。
初期費用の具体的な金額
 完全にゼロの状態からスタートした場合のおおまかな金額を記してみます(Mac環境の場合。以下すべて実売価格)。

●パソコン本体……約20万円(モニタと分離したプロ用デスクトップタイプ)
●モニタ……2〜3万円(ブラウン管タイプ)
●増設用メモリ……1万5千〜3万円
●スキャナ……1〜3万円
●タブレット……1〜3万円
●データの保存・受渡し用のMO、CDーRWドライブなど……2〜3万円
●プリンタ……1万5千〜2万5千円
●必須ソフトウェアのフォトショップ(アドビ社製品)……約9万円

  iMacやiBookなど、モニタ一体型のパソコンの場合はモニタ費用が必要なくなります。例えば、iMac(普及型の最安値のもの)を選んだ場合は、本体・モニタ合せて約12万円で済みます(下図)。ただし、プロ作家のかたなど、使い勝手や効率アップを望むかたにはプロ用デスクトップタイプをお薦めします。

 CDーRWドライブが標準装備のパソコンなら、これも別に用意する必要がなくなります。

 以上、必要最小限のものを揃えるだけでも、機種によって差があるものの、最低でも約26万円とけっこうな金額になるのが、デジコミの頭の痛いところではあります。家電量販店などのポイントカードをお持ちのかたは、威力を発揮しますね(笑)。

 メモリは価格の変動が激しく、右の数字は参考とお考えください。デジコミでの必要メモリ容量は、動作速度・安定性がメモリ容量に大きく左右されるフォトショップの特性から、512メガバイトあればまず問題なく快適な作業ができますが、プロ作家のかた、いっそうの快適さを求めるかたは合計が1ギガバイト以上になるような増設をお薦めします(機種によって増設可能な容量の上限に違いがあります)。

 完全データ入稿なら、本来はプリンタはいらないのですが、入稿時の見本など、なにかとプリントを必要とする場合が出て来ます。安価なもので十分ですので、デジコミ導入の際は合わせての購入をお薦めします。

■参考資料■デジターボ著・コレサワシゲユキ監修「デジコミマスターズ」(毎日コミュニケーションズ)■「デジコミ・コム」(webサイト)●この記事の文責はすべてゴヤアキラにあります。●Mac版フォトショップ5・5での作業を基準にしています。



●追記●上記は2001年に書かれたものです。機種や価格に変化があった場合はご了承ください。モハヤ液晶iMacにG4が乗っている時代ですし(^^)。
●万が一のバックアップや通常業務データの複製・保存のため、FireWire(IEEE1394)規格外部接続ハードディスク(そとづけハードディスク)の使用をお薦めします。
 とくに「オクスフォード911チップ使用」など、高速をうたっているもの、Macの場合はそれに加えて、起動ディスクとして使えるものをお薦めします。さいきんのハードディスクは高速化がはかられ、そとづけタイプのものでもフォトショップの仮想記憶ディスクとしてもじゅうぶんに使用に耐えます。5400回転や7200回転などの、回転数にこだわる必要はないと思います。



■参考資料■「デジコミマスターズ」(毎日コミュニケーションズ)■「デジコミ・コム」(webサイト)●この記事の文責はすべてゴヤアキラにあります。●Mac版フォトショップ5・5を基準にしています。